2003年8月23日
世の中にニセ刑事というのは意外に多い。
たいては他愛もないことで刑事に成りすまして、
本物の刑事になった気分を味わうだけだが、
中には刑事の肩書きで、
人を騙して小遣い稼ぎをやらかす輩もいる。
それでも所詮素人。
すぐにウソがばれて逃げ出すのも多い。
この男みたいにうまくいった例は珍しい。
埼玉県大宮署に逮捕された、
住所不定・無職の吉岡正志50歳だ。
この男の手口はこうだ。
駅前のラブホテル街で張り込みをする。
この辺は本物の刑事と同じように辛抱強くやるわけだ。
ホテルに出入りするカップルのうち、
純然たる恋人とか夫婦に見えない、
いかにもワケアリそうなカップルに目をつける。
ホテルを出てすぐに別れるカップルはカモである。
一人になった女性の方に近づき、
刑事を装っていきなり職務質問をする。
「あんた、いま援助交際をしただろう」
・
普通の恋人同士なら、
「なにをバカなこといってるの」
と思うだろうが、
これがワケアリとなると
いきなりこう言われたらドキッとする。
たとえ援助交際なんかしていなくても、
刑事に職務質問されたというだけでオロオロする。
そうなればもう男のペース。
「援助交際はリッパな売春で犯罪なんだ」
と畳み掛ける。
人妻だったらもう頭はパニックで真っ白。
援助交際なんかした覚えはないけど、
不倫しているのは事実だし、
警察に連れて行かれてあれこれ聞かれたら・・・・・
夫にも近所にも知られてしまったら・・・・・
そんな思いが頭の中をぐるぐる回る。
そんな状態の人妻を見透かしたように、
ニセ刑事は次々と質問を浴びせる。
「フリーでやってるのか、どこかの組織に属してるのか」
「覚醒剤もやってるんじゃないか」
どんどん追い詰められ、
自分がとんでもない窮地に陥ってしまったと後悔する人妻。
ここでニセ刑事は現場検証と騙して、
人妻をホテルの部屋に「連行」する。
そして態度をガラッと変えてやさしい声でこうささやく。
「逮捕されたら親兄弟も悲しむだろう。
近所にもバレたらもう住めないだろう」
「刑事にだって仏心というものがある。
あんたの心がけ次第じゃ見逃してやってもいい」
もうこれで人生終わりだと奈落の底に突き落とされた気分でいた人妻は、
地獄で仏を見た気持ちになる。
溺れてわらにもすがりたいところへ、
救助隊がモーターボートで助けに来たようなものだ。
貧相な刑事の顔が、
ベッカムかキムタクに見えたとしても
誰が人妻を責められるだろう。
「あんたも子供じゃないんだから、わかるだろう」
思わずうなずく人妻。
立派な大人である人妻は、
なにも言わなくてもよ〜くわかってしまうのである。
あとはニセ刑事のいうがまま。
自ら服を脱ぎ、ニセ刑事に体をまかせてしまう。
・
ニセ刑事の供述によると、
同じ手口で10人以上の女性をものにしたというが、
今のところ被害届は1件だけ。
ほとんどの女性は、
いまだに本物の刑事に抱かれたと思っているのだろう。
その後近所で変な噂が立ったこともないし、
家族にもバレていない。
あの刑事さんは本当に約束を守ってくれたんだ。
藤田まことみたいに
人情味のあるはぐれ刑事なんだ。
疑うどころか感謝しているかもしれない。
ニセ刑事だから、
当然本当の捜査をするはずもなく、
従って人妻の不倫がバレることもないのだが。
そこはそれ、知らぬが仏。
きっと、
本物の刑事以上に本物らしく見えたんだろう。
迫真の名演技だったに違いない。
「西部警察」の事故でミソをつけた、
石原軍団の役者に演技指導をしてやったらどうだ。
しかし最後は本物の刑事に捕まってしまったが。
・
もしあなたがワケアリのカップルで、
今後ラブホテルを利用する場合は、
ホテルを出てから決してすぐに別れてはいけない。
駅まで手をつないで帰りなさい。
小学校の先生もこう注意をしている。
「最近変なおじさんがウロウロしています。
決して一人で帰らないように。
みんなで手をつないで帰りましょう」
2003年8月17日
オレオレ詐欺というのがはやっている。
最初は適当な家に電話して、
離れて住んでる息子を装って「オレオレ」と言う。
電話に出た母親が実の息子と間違えて、
「○○かい?」などと聞き返す。
あとは調子を合わせて、
「そうそう、○○だよ、元気?」
などと言って安心させ、
いま金が足りなくて困っているから、
金を送ってくれと言って、
銀行口座に金を振り込ませるというもの。
善良な田舎の母親などがコロッと騙される。
その後いくつもバリエーションが登場し、
女版の「アタシアタシ」詐欺も登場した。
手口はみな似たり寄ったりである。
しかしここにもっと巧妙な、
というか、
騙されるほうも騙されるほうだ
というべき「オレオレ詐欺」が登場した。
・
徳島で逮捕された2人組の手口はこうだ。
最初の仕掛けは普通のオレオレ詐欺と変わらない。
適当に選んだ会社の上司を装って、
「オレオレ」と電話する。
電話を受けたOLが勝手に勘違いして、
「あ、○○部長ですか?」
などと答えれば第一関門突破。
「そうそう、おれだ」と調子を合わせ、
「実は知人の医師が徳島にやって来たんだが、
おれが忙しいんで代わりに食事してくれないかな」
と持ちかける。
一流のレストランを指定して、
食事代はもちろん医師のおごりだと言えば、
たいていのOLは乗ってくる。
・
ここからが第2段階。
電話とは別の男が医師になりすまして登場する。
一流レストランで食事をし、
一流ホテルのバーなどで酒を飲むうちに、
OLはすっかりいい気分になっている。
そこでおもむろに愛人契約を持ちかける。
「月1回仕事で徳島に来るので、会ってくれないか」
「お手当ては月30万円くらいでどうだ」
もともとOLは医者とか弁護士というブランドに弱い。
その上高額のお手当て。
この不況下にこれ以上の条件は無い。
OLが首を縦に振ると、
ここからが最後の仕上げ。
「手当ては病院の裏帳簿から出すから、
架空口座を作らなくちゃいけない」
ともっともらしいことを言って、
OLからキャッシュカードを騙し取る。
誕生日や電話番号などを聞く振りをして、
さりげなく暗証番号を聞き出し、
銀行のATMで預金を引き出す。
・
こんな手口でひっかかったOLがなんと数百人。
2人組は3年間で数億円の現金を巻き上げた。
いかに医者のブランドが魅力的だとはいえ、
なぜこうもやすやすと騙されるのか。
それは今の20代のOLの中には、
テレクラや出会い系サイトを通じて、
援交を経験した女がたくさんいるからである。
売春の経験者は約3割いるともいわれる。
パパと愛人契約をした経験者もいる。
すでに免疫ができているわけである。
さらに彼女らが全盛期の頃、
1回5万円といわれた援交相場も、
不況のあおりで3万円程度に下落。
愛人手当ての相場は
月1回で5万円、月2,3回で10万円。
月30万円の手当てにコロッと騙されたのも無理は無い。
2003年8月10日
渋谷でバイクに乗って、
次々と5人を刺した犯人が捕まった。
犯行の動機を聞かれて犯人は、
「ムシャクシャしたから刺した」
と答えた。
フザケタ野郎だ。
最近こういう手合いが多い。
金属バットで通行人を殴りまわった奴とか、
放火しまくった奴とか、
みんな「ムシャクシャして」やった。
渋谷の奴は、
ふだんから「人刺し」と呼ばれて、
何かあるとすぐにナイフを突きつける、
危ない男だったらしい。
キレルと何をするかわからないので、
周りの人間は抵抗しないようにしていたとか。
そういう奴もいるけれど、
中にはふだんはおとなしくて、
とてもそんな事件を起こすような人間に見えなかった、
と言われる奴もいる。
いずれにしても
「ムシャクシャしてやった」ことに変わりはない。
・
なんでムシャクシャしたのか。
自分の思い通りにならないことがあったからだ。
テリー伊藤がテレビで、
「世の中の20%しか思い通りにならない」
「あとの80%はみんな我慢しているんだよ」
と言っていた。
テリー伊藤は甘い。
世の中で思い通りになることなんて10%もない。
誰だってムシャクシャすることの一つや二つ抱えている。
ムシャクシャするのはいい。
しちまったものはしょうがないじゃないか。
だからといって他人を刺すな。
ムシャクシャするたびに
刺される方はたまったもんじゃない。
刺すなら自分を刺せ。
それなら誰も文句は言わない。
世の中には切腹マニアという人たちがいる。
そういう人は自分の腹を切るのが楽しいのだ。
渋谷の男も切腹マニアになれ。
ナイフで思う存分自分の腹を刺しまくれ。
ムシャクシャするたびに刺すのだ。
いずれ死ぬだろうが、
友達もきっと喜んでくれる。
友達がいればの話だが。
2003年7月26日
世界10カ国・3万5千人を対象にした、
「国際睡眠疫学調査」の結果によると、
睡眠障害に悩んでいる人は全体の25%いる。
4人に1人の割合だ。
日本人に限ってみると、
5人に1人、20%が不眠であると答えている。
ところが、
不眠症診断の世界共通の方式である、
「アテネ不眠尺度」(AIS)で調べると、
約5割の人が不眠症の疑いがあるという結果が出た。
最初の質問で
「よく眠れている」と答えた人でも、
AISによると37%が「不眠の疑いあり」と出た。
日本人の3人に1人が隠れ不眠症というわけだ。
不眠の自覚があればまだなんとかしようと心掛けるが、
自分で不眠だと思ってないと、
知らず知らずのうちに体力が低下して、
思わぬ障害が出たりする。
一般的に不眠状態が長引くと、
免疫力が低下して、病気にかかりやすくなる。
イライラして情緒不安定になる。
集中力や注意力が低下し、ミスや事故を起こしやすくなる。
などのマイナス面が出てくる。
・
不眠症だと自覚していなくても、
ベッドに入ってから寝付くまで30分以上かかる。
夜中に何度か目が覚める。
予定の起床時間より早く目覚める。
日中に眠くなる。
電車に乗って座ると寝てしまう。
午前中調子が出ない。
このような症状が出ていたら要注意。
隠れ不眠症になっている可能性が高い。
・
では不眠を防ぐにはどうすればいいのか。
よくあるのは寝る前にちょっと一杯という「寝酒」。
ある調査では、
ヨーロッパでは不眠を感じた人の半数が、
医師に相談すると答えているのに、
日本人の30%が「寝酒」をすると答えている。
世界で一番「寝酒」の好きな民族は日本人である。
日本人は、
不眠くらいで医者に行くのはいやだとか、
睡眠薬を飲むのは抵抗がある、
という人が多いので「寝酒」に頼る割合が高いんだろう。
しかし実は「寝酒」は睡眠の敵なのだ。
たしかに酒を飲むと寝つきは良くなるが、
レム睡眠を抑制するため心身の疲れが取れない。
アルコールは代謝が早いので、
せっかくの催眠効果が長続きしない。
利尿作用もあるので夜中に目が覚める。
加水分解を起こすので脱水症状にもなる。
酒を飲んだ翌朝にのどがカラカラに渇いているのはそのためだ。
もっと怖いのは、
寝酒が習慣になると、どんどん酒量が増えて、
飲んでも飲んでも眠れなくなる。
これじゃ逆効果だ。
・
不眠を防ぐには、
スポーツや趣味を楽しむ時間をもつこと。
カラオケなどでストレスを発散する。
夕食は刺激物を避け、腹いっぱい食べない。
寝る2時間前に入浴するか、
軽い運動をして体温を上げておく。
その後体温が自然に下がって眠りやすくなる。
無理に寝ようと思わず、眠くなるのを待つ。
朝早く起きる習慣をつける。
などの地道な方法を続けるしかない。
安眠できる枕というものも売り出されているので、
それを買って寝るのもいい。
高級品は1万円から3万円と値段も高いが、
頭の形や好みに合わせて選んでくれるので、
それでぐっすり眠れれば安いもの。
安眠枕を使うと不眠が治るだけでなく、
「肩こりがなくなった」とか、
「イビキをかかなくなった」
なんて効用もある。
「オネショをしなくなった」
という例は聞かないが、きっとあるに違いない。
・
それでもまだ寝られないという人には、
とっておきの方法を教えよう。
それは、
気持ちのいいセックスをすること。
ひと汗かいた後は、
ぐっすりと寝られること請け合い。
中にはやってる最中に眠ってしまう
という人もいるくらいだから、
その効果は絶大だ。
ただし、
いい相手がいなければ使えない方法
というのが最大の難点だ。
2003年7月13日
去年の春、ガーターベルトの復活を目指して、
ワコールがさまざまなタイプの商品を売り出した。
ガーターストッキング復活か?
と一部のマスコミで騒がれたが、
夏が終わってみると、
メーカーが期待したほどは売り上げが伸びなかったようだ。
それでも以前に比べれば、
ガーターを使用する女性が増えたことは確かだ。
ワコールは今年もかなり力を入れて売り出している。
なぜなら、社内の女性社員を調査したところ、
ガーターベルトの所有率が、
2割でしかなかったからだ。
社長もがっくり。
もっとガーターベルトを普及させねばと、
決意を新たにした。
灯台下暗し!
ちょっと意味が違うけど。
自分の足元から見直そうというわけだ。
そう、足元が肝心。
ガーターベルトは下半身のオシャレだからね。
毎年春になるとガーターの宣伝に力を入れるのは、
夏が本番だからだ。
色っぽいから、セクシーだから、
という理由もあるけど、
女性がガーターベルトを買う一番の理由は、
ムレないから。
・
そうなのだ。
男は昔から疑問に思っていたのだよ。
蒸し暑い日本の夏に、
パンストなんかはいていて暑苦しくないのか。
日本の夏は気温、湿度ともに高く、
熱帯のジャングルとなんら変わりない。
「キンチョーの夏、日本の夏」と言うではないか。
関係ないけど。
パンストなんかはいていたら、
股が蒸れてしまってどうしようもないんじゃないか。
汗臭い匂いにつられて飛んでくる、
大量のハマダラカに襲われたらどうするんだ。
などと心配していたが、
実際は女性も苦痛を感じていたのだ。
パンストをやめてガーターストッキングにして、
なにが一番良かったかといえば、
ムレなくて快適。
やっぱり夏はみんなムレて困っていたんだ。
中にはパンストはいてズボンをはいてる女性もいる。
パンツスーツでビジネス街を颯爽と歩いている姿は、
見た目にはカッコいいけど、
中身はラーメン屋の厨房ぐらいひどい状態なのだ。
パンストにスカートだって蒸れるのに、
パンツスタイルなんて最悪。
そのうえまだガードルをつけていたりしたら、
我慢大会の特訓でもしているのかと思っちゃうよ。
そういう女性も現にいるから恐ろしい。
とにかく女性自身が蒸れて困っていたのだ。
ガーターベルトはその悩みを解消してくれた。
・
そのほかの理由で多かったのが、
パンストだと、
腰周りがかさばる、ごわつく、スッキリしない、というもの。
パンストは腰にぴたっとしているから、
そういう理由は意外だった。
ガーターベルトの方が
かさばるからイヤという意見があるかと思っていた。
あとは、
トイレのときに上げ下ろしに便利という意見。
意外にパンストというのは不便なものなんだね。
パンストだとかぶれやすいという意見もあった。
いずれにしても、
夏はガーターベルトにとって旬の時期なのだ。
ムレない、スッキリ、爽やか。
これでガーターベルトを選ばない理由はないだろう。
だからメーカーもこの時期に
ガーターベルトを広めようとしているのだ。
・
ところで、若い女性の中で、
ガーターベルトをしてみたいけど、
ミニスカートだとガーターが見えちゃうからはけない、
という意見があった。
おとなしいミニスカートなら大丈夫だけど、
マイクロミニなんかだと絶対見えちゃうね。
ところがそんな心配を嘲笑うようなファッションがある。
わざと見せるのである。
つい先日もそんな女の子が歩いていた。
黒のミニスカートから黒いベルトが出て、
黒とピンクの横じまのストッキングを吊っていた。
残念ながらスカートの中は見えないので、
どういう構造になっているかはわからなかったが、
明らかに見られることを意識したファッションだった。
最近はガーターベルトもいろんなバリエーションができて、
ベルトとストッキングが一体化したものや、
水着のようにカラフルで最初から見せるためのものなど、
メーカーもあの手この手で購買意欲を煽っている。
できれば夏の暑いときだけでなく、
一年を通じていつも
ガーターストッキングで決めてほしいものである。
女っぷりが上がること間違いなし。
2003年7月6日
アフガン戦争でもイラク戦争でも、
アメリカ軍の最新鋭の兵器が大活躍したが、
実はその陰で、
戦争が始まるずっと前から活躍していたものがある。
それは監視衛星とスーパーコンピューターを結んだシステム。
エシュロン・システムである。
エシュロン・システムは世界中の通信を盗聴している。
地球のはるか上空にある7つのインテルサット衛星で、
同時に9万本の電話やファックスが中継できる。
世界の主要基地で傍受された通信情報は、
エシュロン・システムの心臓部とも言うべき
スーパーコンピューターに集められる。
1日30億本の通信情報が処理可能である。
ここで活躍するのはBRSサーチプログラムである。
民間の検索システムの1000倍以上の能力がある。
アメリカ国家安全保障局(NSA)が
IBMに協力させ、
1950年代から開発を重ねてきた最強力な検索システムである。
数百万の情報の中から必要な情報を、
わずか数秒で取り出してみせる。
・
毎日交わされる電話やメールなどの情報は、
24時間監視体制のエシュロンに傍受されている。
その中から彼らは特定のキーワードや数字を含む情報を取り出す。
テロ、破壊、暗殺、工作、武器、爆弾
などという単語が含まれた情報は重点的に監視される。
おれはテロリストともスパイとも関係ないから大丈夫、
なんてのんきなことを言ってたら大間違いだ。
エシュロンはあらゆる個人と組織を監視している。
テロリストだろうが大統領だろうが関係ない。
あなたが彼女と携帯電話で話したとき、
「君がぼくのハートに火をつけたんだ」
なんて言ったら、もうリストアップされているかもしれない。
「ハニー、今夜はたっぷりとぼくのミサイルを撃ち込んでやるよ」
なんて言ったら、確実に要監視リストに登録だ。
さらに数日後か数週間後、
彼女となかなか会えなくてイライラしているあなたは、
「もう我慢できない。おれの息子が爆発しそうだ」
とつい口走ってしまうかもしれない。
すでに1回目で要監視リストに登録されているあなたは、
2回目の発言で
潜在的テロリストに格上げされるかもしれない。
たまたまアメリカに遊びに行って、
空港でちょっと不審な行動を取ったりすると、
たちまちCIAに囲まれて連れ去られるかもしれない。
あるいはふざけてピストル型のライターを取り出して、
タバコに火をつけようとしただけで、
その場で射殺されるかもしれない。
これは極端な例にしても、
コンピューターも全能の神ではない。
すべたの情報を正確に処理するとは限らないのだ。
さらにデータを選択したり分析したりする担当者が、
ちょっとしたミスを犯さないとはいえない。
無実の一般人がテロリストにされてしまうこともありうる。
・
監視員A「この前シリアに逃げ込もうとしていたフセインの
車を見つけてミサイルを撃ちこんだけど、
結局関係ない奴だったな」
監視員B「あの日は出掛けにカミさんと喧嘩しちまって、
ムシャクシャしていたから、
データを読み違えたかもしれない」
監視員A「死んだイラク人には気の毒なことをしたな」
監視員B「なあに気にすることないさ。そのうちきっと
本物を見つけてやるよ。
それまでは多少の犠牲者が出ても仕方ない」
監視員A「おい、これを見ろ。この通話記録だよ。
チクショー、やっぱり生きてやがる」
| 《ウ○イ元気か。》 《ええ、元気ですよ。父さんも元気ですか》 《もちろんだ。ここは食い物もうまいし、ワインも極上だ》 《父さん、ワインはまずいんじゃないの》 《いや、なに、ブドウジュースのことだ。アラーの教えに背くようなことをするはずがないだろう。おまえこそ生ハムなんか食ってないだろうな》 《えっ、なんで知ってるの? や、やだなあ。そんなもの食うはずないでしょう。豚肉なんか食ったら神の罰が当たりますよ》 《しかし退屈だな。米軍は相変わらず的外れなところを狙っているし》 《この前も父さんと間違えて、ただの密輸人の車を襲撃してたよ》 《これじゃ影武者も必要なかったな。20人も雇うんじゃなかった》 |
監視員B「おい、こんなものもあるぞ」
| 《バカモノ! おとなしくしとれと言っただろう》 《ごめんよ。許してよ。だけど、最近ジョンチョルが後継者になるってみんなが言うから心配で心配でつい》 《わが国の文化は長男が家を継ぐということになっておる》 《だけど、ジョンチョルは頭もいいし、顔もいいし、人気もあるから僕のことを馬鹿にしているんだ》 《確かにお前は頭も悪いし、顔も悪い。わしの息子なのになんでそうブサイクなんだ。オホン。そんなことより勝手にウロチョロするなと言っておるんだ》 《僕だってたまには家に帰りたいよ》 《貨車一台分のミッキーマウスを送ってやったから、それで遊んでろ》 |
監視員A「ねえ、これなんかどう思う?」
| 《ねえ、トクちゃん、もうちょっと我慢してよ》 《私だけこんな目にあって、いつまでも隠れているなんてもういや》 《今はまだまずいんだよ。そのうちきっとちゃんとするから》 《内○さんていつもそうなのね。ちっともはっきりしないじゃないの。私もう我慢できない。爆発しても知らないから》 |
監視員B「おいおい、それはどうみても関係ないだろう。
パレスチナの自爆テロとは思えないぞ」