とんま、間抜け、ナンセンス

Ab asino lanam quaerere.

 

自慢話
ジャンが自分の車を自慢して言った。
「おれの車のスピードはすごいぜ。高速道路を走ったら、脇
にある標識が全部くっついて壁みたいになってたぜ」
それを聞いてフィリップも負けずに言った。
「おれの車の方がもっとすごいよ。このまえレース場を一周
したら、あんまり速く走りすぎて、自分の車の後ろが見えち
ゃったもんね」

 

俳優の名前
夫婦で芝居見物に行った。劇場の中が暗くなると、壁にエレ
クトリック・サイン(掲示灯)が浮き上がった。
妻がそれを指差して夫に言った。
「あら、今夜の俳優は珍しい名前ね。ノズモ・キングってい
うのね」
夫はシッと言って、小声で妻に説明した。
「あれはね、ノー・スモーキング(NO SMOKING)と書いてあ
るんだよ」

 

アリえない話
飛行機に一度も乗ったことがない男が、初めて飛行機に乗る
ことになった。
飛行機のエンジンが唸りを上げると、男はしっかりと目をつ
ぶって、座席の手すりを握り締めて百まで数を数え、恐る恐
る目を開けて窓の外を見た。
「おお、人があんなに小さく見える。まるでアリみたいじゃ
ないですか、ねえ」
と、隣の婦人に話し掛けた。
婦人はさもつまらなそうに答えた。
「あれはアリですよ。まだ飛行機は飛んでません」

 

スタントマン
ヘリコプターから湖に落ちる役をやることになっているスタ
ントマンが、2万ドルのギャラを要求した。
助監督がスタントマンに
「君はスタントマンをやったことがあるのかい? この仕事
の相場は3000ドルだよ」
するとスタントマンは怒って、
「やったことなんかないさ。だから危険なんじゃないか。ふ
つうの相場よりたくさんもらわなくちゃ割に合わないよ」

 

間に合わせ
短気な男がいた。ある時下男が間違いを犯したといって、鞭
で打とうとしたが鞭がない。
「誰か、早く鞭をもってこい」
イライラして怒鳴るが、誰も持ってこない。
ますます腹を立てて、今にも沸騰しそうになっている。
その様子を見ていた下男は、主人を見上げながら言った。
「旦那様、まず平手で私の頬を打って、急場しのぎにされた
らいかがですか」

 

忘れっぽい
ある所に非常に忘れっぽい男がいた。ある時、妻を連れて山
へ柴刈りに行った。
急に大便がしたくなったので、斧をその場に置いて用を足し
た。用を足してから立ち上がると、斧があるのに気付き、
「こんな所で斧を見つけたぞ」
大喜びして斧を持って飛び跳ねていたら、大便を踏んづけて
しまった。
「誰だ、こんな所に大便をした奴は! ははあ、こいつが斧
を忘れて行ったんだな」
それを見ていた男の妻があきれて、
「あんたは何でそう忘れっぽいの? さっき自分で斧を持っ
てきて、そこに用を足したんじゃないの」
すると男は妻の顔をしげしげと見つめ、
「はて、あなたとどこかでお会いしましたっけ?」

 

三つ目
よくおならをするお嬢様が結婚式に出席した。そそうをして
はいけないと、乳母と女中を左右にしたがえて緊張してこら
えていたが、式が終わる頃つい緊張が緩みプッとやってしま
った。
そこでお嬢様は右にいる乳母に向かって、
「まあ、婆やったら。失礼よ」
婆やは周りの人に会釈して退席した。
しばらくしてまたプッと出てしまった。お嬢様は左にいる女
中に向かって、
「まあ、ねえやったら。失礼よ」
女中は周りの人に会釈して退席した。
やがて式が終わってやれやれと思ったとたんにまたプッと。
左右を見ても、婆やも女中もいないので、
「まあ、お尻の穴ったら。失礼よ」

 

三つのプール
ハリウッド女優のキャサリンは自宅に三つのプールを持って
いた。友達が不思議に思って聞いた。
「なんで三つもプールがあるの?」
キャサリンは得意そうに答えた。
「一つは夏向きの冷水プール。一つは雨の日でも泳げる室内
プール。もう一つは水を入れないプール」
「最初の二つはわかるけど、水の入ってないプールはなんの
ためなの?」
「だって、お友達の中には、全然泳げない人もいるでしょ」

 

ブザーの修理
「玄関のブザーが壊れたので、すぐに修理に来てほしいと頼
んだのに、いつまで待っても来ないじゃないですか。どうな
っているんですか」
「さっきお伺いしたんですが、いくらブザーを押しても、誰
も出てこなかったものでお留守だと思ったんですよ」

 

そこは違う
あるホテルで、老婦人がベル・ボーイに向かってまくしたて
ていた。
「私はこの部屋が気に入りません。こんな部屋にお金を払う
なんて・・・。部屋は小さいし、ベッドさえ置いてないじゃ
ないの。私が田舎者だからといって馬鹿にしているなら、私
にも考えがありますよ」
「まあまあ、奥さん、落ち着いてください。ここはあなたの
部屋じゃありません。ここはエレベーターです」

 

待ち時間
弁護士の事務所の待合室で、一人の男が落ち着きなさそうに
あたりをキョロキョロしながら待っていた。
秘書の女性が通りがかると、呼び止めてこう言った。
「私はここの先生と遺産相続の問題で会う約束をしているん
ですが、先生はまだ来ないんですか」
秘書の女性はにっこりと微笑みながら、
「すいません。もうどのくらいお待ちですか」
すると男は、
「ええと、約20年です」

 

長い芝居
田舎から出てきたおばあさんが、芝居見物に行ったが、第一
幕が終わると途端に帰り支度を始めた。
案内をした人が驚いて、おばあさんに聞いた。
「おばあさん、この芝居がつまらなかったんですか」
「とんでもない。とってもおもしろかったよ」
「じゃあなんで、最後まで見ないで帰るんですか」
するとおばあさんは悲しそうな顔をして、
「このプログラムに書いてあるでしょ。第二幕は、第一幕か
ら一週間後って。そんなに長くここにいられないんだよ」

 

効果があった
ある男が街のど真ん中で、しきりに手を叩いていた。そこに
通りかかった友人が彼に尋ねた。
「いったいこんなところで何をやっているんだい」
「ゾウを追っ払うための儀式さ」
「ゾウなんかどこにもいないじゃないか」
「そうだろう。効果があったのさ」

 

なぞなぞ
ある男が観光船に乗ったとき、パーサーから気の効いたなぞ
なぞを教えられた。
「私の両親に赤ちゃんができました。でもその赤ちゃんは、
私の兄弟でもなければ姉妹でもありません。さて、その赤ち
ゃんはいったい誰でしょう」
男はいくら考えてもわからないので答えを聞いた。パーサー
の答えは、
「それは私です」
男はこのなぞなぞが大いに気に入って、旅行から戻ってから
友人に出題した。
「ぼくの両親に赤ちゃんができた。その赤ちゃんはぼくの兄
弟でもないし、姉妹でもない。さあ、誰でしょう」
友人はわからないといって降参した。
男は得意そうに答えを教えた。
「それは観光船のパーサーだ」

 

除夜の鐘
おじいさんが孫娘に聞いた。
「いま外でなにか音がしたようだが、あれは除夜の鐘じゃな
いかい?」
孫娘が答えた。
「そうですよ、おじいちゃん。あれは除夜の鐘ですよ」
それを聞いておじいさんは、
「なあんだ、そうかい。わしはてっきり除夜の鐘かと思った
よ」

 

縄一本で御用
「道に落ちていた縄を一本拾って持ち帰っただけなのに、捕
らえられて罪になったよ」
「それは災難だったな。しかし、縄一本拾っただけで、どう
して罪になるんだね」
「縄の先に、牛が一頭ついていたんだ」

 

飛ばされた帽子
功成り名遂げた老教授が、長年連れ添った妻と公園を散歩し
ていた。
老教授が前方を指差して妻に言った。
「ごらん。いつ見てもおかしいだろう。男が風に飛ばされた
帽子を、あわてて追っかけている姿は」
妻はあきれたように言った。
「ばかね。あの人が追いかけているのは、あなたの帽子です
よ」

 

計算はあってる?
坊さんが市場に買い物に来た。ズボンを買って金を払おうと
したが、ズボンよりも法衣の方が必要だなと独り言を言って
店主に法衣を見せてくれといった。
店主が数種類の法衣を見せると、そのうちで一番気に入った
法衣を手にとって、
「うん、これがいい」
そのまま法衣を持って立ち去ろうとした。
店主があわてて、
「これ、坊さん。金を払わずに行くのか」
と催促した。
坊さんは、
「何を言うとるんじゃ。法衣の代わりにズボンを渡したじゃ
ないか」
店主も負けずに、
「ズボンの代金はまだもらってないぞ」
と言うと、坊さんは怒って、
「とんでもない奴じゃ。はいてもいないズボンの代金を取る
気か」

 

 

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